今日も朝からババオは強かだ。
正直、私は朝からババオの顔を見るだけで疲れる。だが、どこにも逃げられない。
繰り返すのは
85歳だから仕方ない、
85歳だから仕方ない…
呪文のように心の中で繰り返して、何とかイライラを鎮めるように唱え続ける。
そんな私の心をまったく無視する形で、今朝も朝から『かまってちゃん全開』のババオ
朝食の時に大騒ぎ
朝食をコタツの上に置き、私はババオの部屋を掃除していた。
朝食を食べ始めたババオ…するとしばらくして呼ぶ声がする。
助けてください~起こしてぇ~どうしたらいいのぉ~起き上がれない~!!!
まるこちゃーーーんっ
「・・・」
全く手がかかる。
行ってみると、コタツで横になってもがいているババオの姿。
横になったのは、ババオ自身だ。
あのさ、自分で横になったんでしょ。時間がかかってもいいから自分でゆっくり起きて。
自分で出来ることは自分でやらないと出来なくなるから、私は助けないよ。
「助けてくださーーーーいい」と叫ぶババオ。
たが、手を貸さないのも愛情だ。
ババオの魂胆はわかっている。
朝食時に私に横にいて欲しいのだ。
少しでも長く横に座ってほしいのだ。構ってほしい、それだけだ。
私はその場を離れ、洗濯機に洗濯物を放り込み、トイレの掃除をし、そしてババオのもとに戻る。
やはり思った通りだ…
ババオは何食わぬ顔で、元通りの姿勢でご飯を食べていた。
『もう同じ手には乗らない』
私の決意はさらに固くなる。
ケアマネの前でも『かまってちゃん』
今日は月一回のケアマネさん訪問の日。
10時に「こんにちは~」と明るい声でやって来た。
ババオさん、最近の調子はいかがですかぁ?
「具合が悪くて」と愚痴るババオを励まして様子を見ながら、私と来月の介護予定の確認もしていく。
しばらくすると同席のババオが突然口を開く、
具合が悪いので、ちょっと横になってもいいかしら?
優しいケアマネさんは「どうぞ、ゆっくり休んでてくださいね」と。
そして私は心の中で『またぁ…』とうんざりしながら「休んでたら」ときつい口調で言葉を投げ、そしてケアマネさんと話を続ける…
3分もたたないうちに…
ババオはベッドの上に横にならずに座ったままこちらを見て、
そして大きな声で呼び始めた…
ちょっと来てくださーーーい、
見てくださーーーーい。
「だからぁ、具合悪ければ、ゆっくり寝てればいいでしょ」
ババオの目的は一つ、今度はケアマネさんにかまってほしいのだ。
「そんなこと言わないでーーーーー来てください。」「今の状態を見て下さーーーーい」としつこいババオ。
私がスルーしてると最後にこう言った…
私だって、話したい!!!
結局そういうこと。
ほんの数分すると、ババオは何事もなかったように戻って来た。
ケアマネさんはこのやり取りをすべて見ていたから、日頃の様子もわかってくれただろう。
帰り際にちょっと困った顔で、こういって帰っていった。
ショートやデイをたくさん使って、距離をとるしかないですね。
ババオさん、お元気ですから…。
そう、そうなのだ。
なんだかんだ言っても、ババオは85歳にしては元気なのだ。
私はもう月曜日から溜息しかでない。
今週も一週間長そうだ…心身ともにもつかな? 頑張れ、自分。
続く