昨日の日曜日、ババオはケロっとしていた。
土曜日に散々ムスメを振り回して衰弱させたのに、まったくそのことは気にも留めていないようだ。
いや覚えていないのかもしれない。
多くの時間をかけてババオと話して、こちらが消耗しても、結局ババオは忘れてしまうのだから、その場を適当に乗り切ることが大事なのだ。まぁそれも頭では解っているのだが、その場になると簡単なことではない。
今朝も結構ケロっとして「散歩に行ってきます~」と出て行った。
朝の7時、朝散歩している老人は多いから、みんな同じようなリズムなのかもしれない。
だが今日は病院の日ということをババオは忘れていたので、帰ってきた時に
「今日、病院に薬をもらいに行く日だよね~」というと、ビックリ顔のババオ。
私が薬をもらいに行くのは簡単だが、出来るだけいろいろな場所に自分で行ってもらい、ババオの脳に刺激を与えたい(笑)
やっぱり忘れてたか、と思い「明日でもいいんじゃない?」と言うと、少し悩んだ様子のババオ。
だが「今日これから行ってくるわ」と7時45分に降りて来た。
家から歩いて10分弱の病院。
診療開始は9時から。
どう考えても早すぎる…
外で1時間以上も立って待つつもりか…並ぶ気満々なのか。
それでも「いくら何でも早すぎるんじゃない?」というと、「それじゃもう少しして出る…」とババオ。
その後、8時半にまた降りてくるが、
「あまり早く行っても、並ぶから9時半ごろに行ったら?」というと
「そうね」とババオ。
だが、人の話を聞いていないババオは…結局、8時45分に出て行った…。
すると、8時57分に電話が鳴る。発信元は予想通り『ババオ』だ。
「今日は何曜日だったかしら?」
「今日は月曜日」
「やってないんだけど。」
「9時からでしょ。」
「誰もいないんだけど、閉まってるのよ。」
「9時になったら開くから待ってたら。」
「寒いし…」
だからぁ「あまり早く行くと立って待つことになるから、時間過ぎていったらって言ったでしょ。」と喉元まで出たけど、引っ込めた。そこでまた負のスイッチが入っても困る。
それから電話はない。
無事に診察を受けてるということだろう、ホッとする。
そして10時前にピンポーン~と家のインターホンがなる。
見るとババオだ。
いや、鍵持ってるでしょ。
持ってるというか、カバンに括り付けてあるでしょ。
とりあえずドアを開けると、倒れ込むように帰ってきた。
第一声、
「携帯電話が無くてね…受付の人にも一緒に探してもらったの。」
「そしたらバックの底に張り付いてたんだけど、また無いみたい。」
「・・・」
おーーーーいっ、そこかぁい?!と思いつつも、
「まずは手を洗って、うがいをして。落ち着いて探したら絶対あるから。」
「今日は本当に苦しかったわ…」
床にへたり込んでいるババオ…また話題がそれる。
カバンを一緒に確認する。
とりあえず、薬も領収書もちゃんともらっている。
そして、カバンの底には携帯電話そのままの形のふくらみが浮かび上がっている。
とりあえず、今日は一件落着だ。
今日も一日長そうだ。
騒ぎが起きませんように。