介護

5/21☁秘密を知ってしまい、命を狙われるババオ(?)

良かったり悪かったりババオは安定せず、毎日ジェットコースターのような勢いだ。

おかげで私は刺激的な毎日を送っている。
…そう、こうなると笑うしかない。そんな境地に至りつつある。

一昨日と昨日は、一日2回程度の電話で落ち着いていた。
看護師さんがとても良くしてくれるから、苦しいけれど頑張る、とさえ言っていた。

よかった…とホッとしたのも束の間、
今日のババオはまた「いつもの錯乱婆さん」に戻ってしまった。
それも、秘密を知ってしまい、命を追われる身…という妄想極まりない「悲劇のヒロイン婆さん」になっている。

今日は朝から早かった…。

1回目の電話は朝7時過ぎ。

土曜日なので、遅くまで寝ていた私。そして寝ていたかった私…
頭の上で電話がけたたましくなり、起こされた。

「おはよう。どう?大丈夫?」
ババオ「大丈夫じゃないけど、これから朝ご飯なの。今待っているところ。これから看護師さんが持ってきてくれるの。」

いや、持ってきてくれるって、ホテルのルームサービスかいなっと思いつつ…
「車椅子なの?」と穏やかに返してみる。
「そう、今車椅子なの。」
この時間に車椅子ということは、朝からオムツを換えて、車椅子に乗せて…。
ホント、看護師さん、ありがとうございます…という気持ちだ。
家で同じことを私は出来ない、と断言できる。

ババオの声は割とご機嫌で、「じゃあね~」と電話を切った。

2回目の電話は11時頃


朝、わりと落ち着いていたが、2回目の電話は再びいつもの具合悪いモード。
「具合が悪くて悪くて…」と電話がかかってくる。
でも「ご飯食べれたの?」と聞くと
「食べました」と。
ただ、「何食べたの?」と聞くと
「あんまり覚えてない」と。

まぁ今日は土日だからリハビリはないし、そうなるとまた看護師さんを呼びまくるんだろうな…と嫌な予感しかしない。そして嫌な予感は的中…

3回目の電話は看護師さんから直接

ババオかと思って「ハイハイっ何?」と思いっきり無愛想に出たら、看護師さんだった(焦)。
看護師さん曰く
「転院前にシャワーに入ってほしいとお願いしてるんですが、具合が悪いって言って、入ってくれないんです。まる子さんからお話頂けないでしょうか?」と。

つまり、ババオは具合が悪いとゴネて、シャワーに入らないらしい。
まぁ、歳を取ると風呂が億劫になるのは仕方ないとしても、相当長い間入ってないに違いない。

代わった私、

「シャワーに入らないと、転院出来ないよ。」と。

「・・・わかりました。」

しぶしぶ答えるババオ。
「ちゃんとシャワー入らないと、お尻とかも荒れちゃうでしょ。」とダメ押しする私。
きっとこれで、シャワーには入ってくれるはずだ、と一旦安堵。

4回目の電話

「閉じ込められた、閉じ込められたの。とにかく来て下さい。」とまた錯乱状態。

想像するに、シャワー室に入ったら閉じ込められたと勘違いしたのだろう。
ただ、ババオ一人で入れる訳がないから、看護師さんも一緒にはず。
もう完全に被害妄想の域。
「閉じ込められたんじゃなくて、シャワーでしょ」と言っても聞いちゃない。
私との約束も忘れている。

5回目の電話

「閉じ込められた」と再び電話。
さらにそこから壮大なスケールのババオの話が始まる…

「この『デパート』の悪い組織の事を知ってしまったの。
私の命に関わることだから今は言えない、命を狙われている。
警察の人と今すぐ来て…」と。

「えっ?どんなことなの?話してくれないと判らないでしょ」と返すと
母の驚くべき答え…

「金銭のことよ」
「・・・」

とうとう始まった金銭妄想。しかも病院を「デパート」って…(呆)。

その後、看護師さんに電話を代わった。
「今日はちょっと調子が悪いですね。でもシャワー浴びて髪の毛も三つ編みに可愛くしてます💛」と教えてくれた。悪い組織の人たちが、こんなに優しくしてくれるのを母は感じない、なんだか悲しい限りである。

6回目の電話

「閉じ込められて怖い思いをしている。すぐにここから出して欲しい。」
「看護師さんととにかく話して頂戴…」
というから
「看護師さんとはいつも話してるから大丈夫よ。それにそこは病院だから一番安心なところでしょ」と言ったら

「みんなで私をイジメるわけ?」

そして自分の思い通りにならないと恒例の「もう切ります」と。

退院まであと1日。はぁ~、最初から最後まで、本当に迷惑な患者だったに違いない。
明日の退院前の日ぐらいは、愛される可愛いおばあちゃんになって欲しいんだが…
まぁ1000%無理だから、せめて穏やかに。

明日は穏やかに過ごせますように。

読んで頂きありがとうございます