日々苦痛だ。
ババオの顔を見るとイラっときてしまう。
ババオはもう年寄りだし本人に罪はない。
年取った親は大事にしないといけない。
でも、今迄積み重ねてきた我慢が、ここにきて爆発している。私も苦しい。
だから、結局は出来るだけババオとの時間を減らすことしか解決方法がない。
今日もその試行錯誤で一日終わった…確実に振り回されている。それも苦痛だ。
さて、明日は月に一回の私のランニング教室の日だ。
月に一回だが、実はとても楽しみにしている。
友達も出来たし、程よい距離が心地よく、走るとスッキリする。
コロナ禍だが、距離をとったランニングや散歩は良いとされているから、余計に楽しみになっているのかもしれない。
勿論、ババオが階段を踏み外した直後だから、ババオの調子が悪ければ行くのもやめるつもりでいた。
しかし、今日一日様子を見ていたら、一歩一歩ゆっくりだが歩けるし、朝ご飯のトーストも自分で用意して食べていた。日中はトイレも自分で行けていたし、大丈夫だろう。今日、日中に助ける場面は殆どなかった。
それに、ババオは隙あらば私に頼ろうとするから、何でも自分でやらせた方がいいのだ。
昼夜のご飯の準備は、去年ババオが退院後に下手に私が手を出してしまったために、一切やらなくなってしまた。そしてやらないと忘れ、結局出来なくなってしまった。いや、今も出来るのだと思うが、一回手を出すと「やってもらえる」という甘えがババオの頭にインプットされてしまうのだ。だから危なくない限り、出来るだけ私は手を出さない。
という訳で、明日のランニング教室には行くことを決めた私。
だが、そのことをババオに前から告げると何時に出かけるだの、何度も聞かれて面倒くさいので、直前の前の晩に言った。
明日、ランニング教室に行ってくるから。
でも、夫さんもムスメもいるから大丈夫。それよりも危ないから、明日もまだ階段は降りちゃダメよ。絶対に下には来ないで、上にいて頂戴ね。
結構強く念押しした。すると
…明日は行かないでもらえるかしら。
だって、ムスメちゃんがお留守番じゃ、ムスメちゃんを寝かせといてあげられないでしょ。
おいおい、それはどういうことかいな。
ババオ自身が不安だから、私に行くなというのか。
それともムスメを寝かしておくために、私に家にいて、門番をしていろ、というのか。
どっちにしても、私が家にいなければならない理由にはならない。
即答する。
明日は行きます。
ムスメにも了解をもらっているから大丈夫。
そう云い捨てて、下に降りて来た。
もう絶対に明日は行く、と固く決意した。
日に日に、ババオと話すのが本当に苦痛になってきた。
これからどこまで苦痛が進むのだろうか…さらに苦痛だ。