昨日から「無い無い病」が発症している。
無い無い病という病気があるわけではない。
『あれがない、これがない』とババオが騒ぐことを私が勝手に『無い無い病』と呼んでいる。
今日も朝から「コートがない、コートがない」とババオが血相変えて飛び込んできた。
でも、クローゼットを開けると、ちゃんとそのコートが吊るしてある。
一体どこを見ているのだろうか…。目に入らないのだろうか。
それも一度出して、全部見ているというのに。
まったく不思議だ。
さらに「鍵がない。」とまた飛び込んでくるババオ。
昨日合った鍵が玄関にないというのだ。確かに昨日の午前中まであったのは私も確認している。
私も一緒に探すが、コートのポケットにも、バックにも、昨日買い物に行った際のスーパーの袋にもない。
まぁ、最近おかしな場所に、おかしな物が置いてあったりするから、きっと鍵もどこかに置いてしまったのだろう。時間が経てば出てくるわ、と放っておく。
しかし納得できないババオ…
「誰がが入ってきて持って行ったのかしら…」とまた被害妄想全開のことを言い始める。
「えっ?一体鍵がかかった家に、誰が入ってきて盗ったっていうの? それはあり得ない。」と全否定の私。
つい「年を取って呆けると、人が盗ったとか言い出すようになるから、それは言わない方がいいよ。」とか余計なことを言ってしまう。
こう毎日いろいろなことが勃発すると、こちらもウンザリして、言わなくていいこともいってしまう。しかし、もうそれも許してもらうこととする。お互い様だ。
すると、しばらくしてババオ「鍵があった、あった!」と叫ぶ声。
「このジャケットのポケットにあったわ~。」
昨日は暑かったから、コートじゃなくジャケットを着ていったそうで、そのポケットに鍵が入っていたそうだ。
そういや、さっき部屋にペラペラの夏物のジャケットが吊るしてあったけど、まさか、それ???
ババオに聞くと、「そう。だって、すごく暑かったでしょ。」との返事…。
「・・・」絶句する私。
ホント、まさにメッシュの夏物だ。これじゃ頭のおかしいお婆さんとしか見えないよ。
確実に、確実に何かがおかしくなっている。
今夜は「老人の取扱説明書」をもう一度読むか…。
読むと胸のつかえが「少しだけ」薄まる気がする。…ご参考まで。
明日もいい日でありますように。