母の血圧と胃腸の薬が少なくなってきた。
いつもは私が薬だけもらいに行くのだが、今日は母自身に診療も兼ねて行ってもらうことにした。
実はそれも冒険だ。
母には3つ以下のミッションがかかっている。
①一人で病院に行けるか?
②受付から診療、支払いがまで出来るか?
③薬局で薬をもらってこれるか?
年齢とともに昨日出来たことが、今日には出来なくなる。そのスピードたるや驚くほどだ。赤ん坊の進化の度合いがすごいなら、老人の退化の度合いもまたすごい。
自分で自分のことが出来るのは素晴らしいことだ。
だから、退化のスピードがすこしゆっくるなるように、出来ることは自分でやって見て欲しいというのが本音だ。しかし無理強いはいけないというのもよく分かっている。家族にしかわからないジレンマだ。
予想通り、母は朝から調子が悪い。
実はここの先生と母は相性がよくない
以前は、先生に泣きついて困らせて、「あの先生は私のことを嫌っている」と勝手に決めつけたときがあった。先生も大変だ。
先生はとても良い先生だ。医者としての診断や薬など確かだであり、無駄もない。だが、母が欲しているのは、「やさしく自分の気持ちをわかってくれて、手をとって励ましてくれるような先生だ」
そりゃぁ、カウンセラーだろうっと思う。だいたい先生だって一人の老人にたいして時間をかけていられないし、医者は老人の悩み話や苦労話を聞く場所ではないのだが。
不安そうに出かけて行った母だが、思ったより上機嫌で帰ってきた。
結局、①~③、すべてを完全にこなして帰ってきた。完璧だ!
先生からも「血圧もとてもよいですね」と褒められたらしい。
ただ、あれは新しい先生かしら?あんな先生だったかしら?と
首をかしげていた。
ハイ、先生はあの先生一人です。いつもの先生です、と私。
あっ、ただ最後の最後に一つだけ、家の鍵をバックのどこにいれたがわからなくなり、騒ぎとなったが、それもまぁいつものことだ。その鍵も落ち着いて部屋の中でバックをさがしたら出てきた、とさっき報告してきた。
それも、なんと 二個も鍵が出てきたと。あれ?一つはいったいどこのカギだろうか。・・・まぁいいか。
この調子で、次回も一か月後にも無事に行けることを祈るばかりだ。