母は朝から薬ノイローゼに陥っている。わからなくなった、ということにショックをうけてさらに混乱している。もう母が管理するのは無理だろうから、とりあえず「私が一切管理するから心配しないで、テーブルに出ている薬だけを飲んで」と伝えた。だが私がそう言った瞬間に倒れ込むようにふらついている。申し訳ないが、母のふらつきを見ても、『ああ、またか。また精神的なものか』と心から心配することもなくなってしまった。
朝からため息のスタートである。早朝、寝ているところを「ちょっといいかしら…」とドアが開き、母が夫に話しかけている声で目が覚めた。夫は「何ですか?何か急ぎですか?」と私の関所となってくれたが、撃沈。母にとっては全てが『今解決しなければいけない緊急事態』なのである。一旦始まるともう止められない。負のスパイラルに突入である。始まった以上、そのスパイラルを出来るだけ広げないように、別の方向に向かせなければならない。母には出来るだけ明るく過ごしてもらいたいのだが、それが出来たら『老人性うつ』にはなっていないのだ。
この状況を夫にも娘にも申し訳ないと思う。家族と言っても夫と母は義理の関係だ。私が逆に姑と毎日このようなことが繰り広げられていたら、やはりキツイ。もしかしてそれは実の親子よりもキツイだろう。娘だってまだ大学生。家族とはいえ、こういったことに時間とメンタルを削られるのは辛いはずだ。今世間で問題となっているヤングケアラーをさせてしまっている。
さらにコロナ禍の在宅で状況は悪い。皆、息を抜き場所が無いのである。
先日煮詰まった私は駆け込み寺ならぬ一時避難場所をと、近所の安い賃貸住宅の家賃相場をネットで調べたくらいだ。お金以上に守らなければならない『メンタル』がある、と勝手に突っ走った私だが、家賃相場を見て撃沈した。二重住宅は現実の生活の中では無理である。
このコロナ禍、遠距離介護は大変だと思う。帰省もままならず、受けたいサービスが受けられず、心配は募るばかりの人も多いだろう。
ただ、同居も大変だ。コロナ禍で利用できる介護施設のサービスも限られている上、逃げ場がない。24時間向き合わなければならない。介護うつになるのは やはり同居の家族が多いのではないか、と思ってしまう。
私自身が余計な感情を持たず『ロボット』になるしかないのだが、それも無理というもの。そりゃそうだ、『だって人間だもの』(⇐相田みつを風)
(最初 あいだみつお、とタイピングしたら、せんだみつお とあまりに似ているので驚いた…)
・・・そうだ今日土曜日は母が大好きな寅さんの『男はつらいよ』の放送日だ。せめてそれで気分を明るくしてくれることを願う。
はぁ~男はつらいよ、ならぬ 同居もつらいよ。
私も寅さんに励ましてもらおう。
寅さん宜しく♪