病院が決まり、救急車が病院に着くまで…12~13分程、しかし1時間位かかったように感じる位、本当に長かった。苦しむババオを前に、後悔と反省といろいろな思いが入り混じる。
病院に到着すると、まず最初に受付を済ませ、渡された書類に必要事項等を記入し、救急外来の前で椅子に座って待つ。ババオを乗せたストレッチャーがレントゲン室の方に運ばれていくのがチラッと見えた。またも時間が経つのが長く感じられる。
10分位して、救急隊員の方が「今までの状況等、すべて病院側にはお伝えしたので、これで失礼します。」と声をかけてくれた。「ありがとうございました。本当にお世話になりました」とお伝えする。
本当に今思い返しても、救急車の方々の温かい対応には感謝で目がうるんでしまう。
大腿骨頸部骨折
そして待つこと30分程、名前を呼ばれて入室、担当の医師から説明を受ける。
骨折です。「大腿骨頸部骨折」です。
目の前のババオのレントゲン写真は、バキッと折れていた。衝撃だった。
これはさぞ痛かったに違いない。
様子を見て、などと言わず、どうであっても病院に連れて行くべきだった。
「大腿骨頸部骨折」は、太ももの上部骨(=大腿骨)の骨折。
老人の骨折として大変多く、特に女性に多いそうだ。これは女性に骨粗鬆症が多いことが関係があるそうだ。
お医者さん曰く、2つの選択肢を示してくれた。
①手術
②手術せずに保存治療
そして、ババオの場合は①の手術を勧められた。
理由としては、今迄自力で歩けていたのであれば、日常動作は1ランク下がる可能性があるが、歩ける可能性は残される。しかし②では、確実に歩けなくなり、車椅子になる、という説明であった。
GWであり、手術はGW明けになるということだが、明日以降に担当医が決まり、詳しい説明があるという。
とりあえず、どちらにするかを考えて下さいと言われた。
私としては①手術でまたババオに歩いてもらいたい旨をその場で伝える。
「母は何か言っていましたか?」と聞くと「娘さんに任せると仰ってました。」ということだった。
時間はかかるだろうが、手術をして、リハビリを頑張って、何とか家に帰ってきて欲しい。
そしてもう一点、先生から
熱があります。
骨折の熱だとは思いますが、念のためにPCR検査を受けてもらいます。
ありゃぁーーーー。
殆ど引きこもりのババオで、コロナの可能性は殆どないはずだが、決まりだから仕方がない。
PCR検査は2回。そして1回目は既に行ったそうで、明日結果が出るそうだ。
その後は看護師さんから、その後入院に関しての書類記入や説明を受ける。
ババオとは一瞬すれ違いに会えたものの、コロナ禍で面会は禁止の為、今後一切会えなくなる。
とても切ない。
あれだけ今迄ブツブツ言ってばかりいたが、こうなると悲しくて仕方がない。
説明等全て終わったのは、日付が変わる前
…今日は長い一日だった。
でもババオにとっては最も長く辛くて痛い一日だったろう。
病院の玄関を出ると、携帯がなる。ババオからだ。
「まる子ちゃん…いろいろ心配かけるわね。頑張るから。」
思ったよりしっかりした声で、ちょっとホッとした。
「ババオちゃん、ごめんね。痛かったね。ホント、痛かったのに、ごめんね。」
まずババオに謝った。痛さを受け止めてあげなくて本当に可哀そうなことをした。
ババオ、何とか頑張って、また笑った顔を見せて欲しい。
そういえば、ババオの笑った顔…しばらく見ていないな(涙)
ババオの笑った顔を見るまで、私も一緒に頑張らなければ。