介護

ブチ切れ・散乱・大惨事

朝から大惨事…大惨事だ…

床には皿が粉々に割れて破片が一面に飛び散り、ジャムがベッタリ塗られたトーストが壁に貼り付き、そして辺り一面にココアがブチ撒かれている…鼻につく異様に甘ったるい香り…

そこに呆然と立ち尽くす私…
そして目の前のベッドの上には上半身を起こし、これまた呆然としたババオ…

そう、まさに大惨事…
悪夢じゃなく、昨日の朝に起こった現実…
私はこの光景をきっと一生忘れない。

何故こうなったか

全てはババオの朝の叩き起こしから始まった…

前の晩

頭痛がして、具合が悪いから朝は絶対に起こさないでね

このところ、連日ババオに叩き起こされている私。
直接起こしにくるか、来なければ朝っぱらから電話がかかってくる。
睡眠を邪魔されるのは一番辛い。
健康だけが取り柄の私だが、頭痛が止まらなくなり、ここ数日心身共に限界を感じていた。
だからこそ昨晩は本当に心から頼んだ。

これ以上、私を病気にしないで、と。

わかりました。絶対に起こしません。


あれだけ念押しをしたから、と
ババオを信じた私が愚かだった。

朝、やはりドアは開き、ババオがぬぅーーーーっと顔を出した。

起こさないといけないと思って…

え??起こさないとって何?あれだけ言ったじゃない…
私の頭の中の『何か』が切れた…

そこで騒ぐと夫さんとムスメちゃんを起こしてしまうから、無言でドアの外に行き、二階にあがる。
ババオは黙ってついて来た。

二階では、私はもう怒りが止まらない。
でもここで怒っても仕方がないのは解ってるのだ。
ババオはもう壊れてるんだし、通じないし、普通じゃないし、
解ってるんだけど、でも私も壊れた。

怒私の心はこの一文字



無言で、薬を出しババオに飲ませる。
そして無言で朝食を作る。牛乳を温めココアをつくり、トーストを焼き、半分にはチーズをのせ、残りの半分にはリンゴジャムをのせ、それをテーブルの上に置く。

食べてっ

ドスの効いた声で迫る私

ババオが呆けた行動をしないためには、朝からエネルギーを補給させねば…と怒りとともに湧いてくる強迫観念

具合が悪くて食べれません

反抗するババオ

ムスメちゃんだと素直に食べるクセに、私には反抗するのかっと、さらに怒りが増す私。

ババオは具合が悪いです…といいながらベットに逃げていく。
もう頭に血が上って、朝食がのったお盆をもってベットの傍らに迫る私…

ババオも狂ってるが、私も狂っている。

狂った者達の修羅場

具合が悪いのは、食べないからでしょ
とにかく食べて、食べてよ(怒)
もーーーーーーーっ

と、怒りのあまり、思わずお盆を持っていた両腕を振ってしまった私…
お盆の上にはココアとジャムベッタリトーストが乗っているのにも関わらず、だ。

あっ、大きく振り過ぎた、と思ったその瞬間

ココアの大きなコップがバランスを崩しひっくりかえり、それを捕えようとした片手を離した為
お盆は斜めになり、お皿が浮いて床にガッシャーーーーーん…そしてジャム付きパンは跳ね上がって、白い壁にベッタリと貼り付いてしまった。もちろん、ババオが口をつけていないたっぷりのココアは、床一面に小さな溜まりとなってひろがりつつ、四方八方に飛び散っている…

その音が階下にも響いたらしく、夫さんとムスメちゃんの2人が慌てて二階にあがってきた…

月曜の朝から修羅場んば…

・・・

もう言葉もない…虚無

そしてその後

掃除に2時間

床暖房の上のココアは、速攻乾いて固まってくる…時間との闘い(涙)
フローリング板の溝に入ったココアは、茶色にツヤツヤしつつ、甘くしぶとい匂いを放っている…

四方八方にとびちったココアのしみが至る所に…

私が軍手で破片を拾い、雑巾を山のようにい積み上げ、床に必死に這いつくばっていると、ババオがベットの上で口を開く

トイレっ

そこで一句

板の間の 隙間のよごれ 母に似て 
しつこく残る 手ごわさを知る

こんな毎日がこれからも続くのだろうか…もう身が持ちません。



to be continued

読んで頂きありがとうございます